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デンマークでポスドク、大学発ベンチャーで研究員をした後、ひょんなことから大学の助教となった一博士号取得者が日々感じたこと、たまにサイエンス(主に化学)についてつづります。


by Y-Iijima_PhD
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あけましておめでとうございます

今年も年賀状は出していないのでネットでつながっている人にはこの場を借りて新年のご挨拶をいたします。年末年始は実家に帰っていましたが、今年は寝正月とはならず毎日のように少しドライブに行っていました。車の運転を忘れないようにと、バイクだったらどう走るかとイメージトレーニングをしながら。予約が取れたら週末にでもレンタルしてみようかと思います。

初詣にも行ってきました。東京側に行くと道も混んでそうで駐車スペースも限られてそうだからと、実家から高速で終点まで行けばすぐに行ける鹿島神宮まで行ってきました。鳥居が去年の地震で壊れたり、鹿島市内は道路に亀裂が入っていたりと東京から近くてもいまだに地震の爪あとが見られるところでした。参拝客は結構多いけど去年の明治神宮のような込み方ではないので普通に歩けました。おみくじを引くと大吉。しかも夫婦そろって幸先のいいスタートです。

あけましておめでとうございます_b0121425_2214529.jpg


しかも書いてあることが今年の予定にぴったりと合います。今年は飛躍の年にしたいというわけではないですが、今年はいろいろと変化がある年の予定です。まあ実際には半年後はどうなっているかも分からないともいえますが。

今年の予定としては大学は3月末で退職する予定です。それでその後は海外脱出します。ここまでは前にも書いたような気がします。行き先はとりあえず上海です。去年の6月に見学に行った会社に就職することが内定しています。上海が拠点の会社なので最初はそこで会社に慣れるのと中国社会に慣れるようにしていこうと思います。ただ会社としては上海より北の田舎に生産拠点を持っていて、そこでの研究ももっと活発にしたいと思っているようなのでそちらに移ることになるかもしれません。自分としても物価の高い、空気の汚い、混雑した上海よりは田舎でもいいかなとは思っています。外国人、外国企業を誘致したい地元の開発責任者もいろいろ優遇してくれるような話があるので意外と悪くないかもしれません。まあ車がないと生活できない土地なのでその目途が立つかも条件になりますが。あと田舎に行くと誰も英語を話さないので中国語がある程度できるようになってからでなくてはなりません。

ということで決まっていると言えるのは半年分ぐらいで後半はもうどうなるやら分かりません。しかし、自分はこの状況に結構わくわくしています。ようやく自分で道を決めることが出来たような気がします。まあまだ完全に今のラボと切れるわけではないのですが、少なくともポスドクのときのように言われたところに行くしかない状況ではなかったし、いわゆる日本社会の全うなレールからは完全に離れるわけです。会社に就職した人と比べてもアカデミアに残った人と比べても普通とはかなり違うキャリアパスを歩もうとしています(多分に研究者のキャリアとして見た場合ですが、普通に日本人の生き方としても)。もう脱線するどころじゃなく空に飛んでいってしまうような。でも留学先で感じたのはこれが普通なんだという感覚。中国人もインド人もその他の国から来た人も大学、ポスドク、就職先の国が皆違っているのが当たり前という感じ。仕事に合わせて住む国ごと変えていく生活。ノマドというかゴールドカラー的な生活。これがグローバル化なんだと。別にアメリカがもうけるためだというわけではなく、ヒト、モノ、カネが世界規模で最適化されていく過程。生まれがどこであろうがスキルがあれば稼げて、先進国で生まれてもスキルがなければ食うのに困る弱肉強食の世界。おそらくこの流れは止まらないだろう。先進国では一部の人は大きく儲けてそれ以外の人は割を食うが、世界規模では圧倒的多数の人が経済状況が良くなることになるので流れを止める大義名分が立たない。それなら自分も流れに乗って適材適所へと向かえばいいのではないか。それで日本に戻らなくてもいいんじゃないのという考えになり、今に至っていたわけです。中国での生活、仕事がうまく行くかどうかは分からない。でもそれでいいじゃないか。やってみなきゃわからない。とりあえずチャンスが舞い込んできたから受けて立とうじゃないかという感じです。

国際結婚だから日本を離れることに抵抗が少ないし、日本は破綻寸前の財政状況だから年金が自分の世代でまともに受給できるわけもなく払わなくて老後はどうしようなんて考える意味もない、そもそも日本の同調圧力に心底うんざりしているのでしがらみから抜けられるのは願ってもないこと。日本に親兄弟は残るけれども中国ならすぐ帰れるし、日本がいざとなったときに海外で稼ぎがあれば仕送りすることも出来るのでリスクヘッジにもなる。気持ちの面ではほとんど抵抗はないのですが、実際にはビザの問題は大きいし、いろんな意味で日本の重力も大きい。それらからやっと解き放たれたところです。

契約はとりあえず3年なので特にトラブルがなければ3年は中国にいる予定です。仕事がうまくいくようだったら延長するかもしれないし、会社は他の国にも支社があるのでそちらに移るかもしれない。はたまた別の会社で別の国にいるかもしれない。目標としてはしばらく永住する地は決めずに数年置きに何カ国か渡り歩きたいな。最終的にはタイに安息の地を求めることになると思いますが。

とまあ、一年の抱負というか予定から今後の人生の予定まで考えてみましたが、明日は研究室の学生の博士論文発表会があり、自分がちょうど博士課程3年のときに研究室に入ってきた学生が博士号取得を目指し、研究成果の集大成を発表します。自分がやってからもう5年も経つのかと思うとともに、あの時新人として入ってきた4年生が博士号をとるのかと思うと感慨深いです。そして今週末、来週末と結婚式に呼ばれています。来月は自分が助教になってからずっと見てきている学生の修士論文発表があるし、3月は卒論、そして引越しの準備、中国に渡る前に半月ほどタイで休暇を楽しんだりといろいろと予定が入っています。日本で暮らす残りの数ヶ月間、大変なことも多いけれどなるべく楽しんでいけたらと思います。
by Y-Iijima_PhD | 2012-01-04 23:37 | 日常