デンマークでポスドク、大学発ベンチャーで研究員をした後、ひょんなことから大学の助教となった一博士号取得者が日々感じたこと、たまにサイエンス(主に化学)についてつづります。


by Y-Iijima_PhD
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中国の食

中国生活で最も苦労したもの、それは食の安全性の問題です。もちろん行く前から毒入り餃子とかメラミン入り牛乳などの話は知っていたのですが、上海は日本人が何万人も住んでいるし、他の外国人も多い都市だから何とかなるだろうと思っていました。しかし、それは甘い認識だったといわざるを得ません。

まあ旅行で少し行く程度では行く店もガイドブックに載っている様な店が多いでしょうし、誰かに連れて行ってもらうような店であれば大方大丈夫、少なくとも健康に影響が出るほどではないと思います。自分も最初に見学に行ったとき、ビザの書類のためほぼ無意味な渡航をした際も、食事は旨くはないとは思いましたが、別に体調に影響を与えるものではありませんでした。

しかし、実際に会社に毎日行くようになってから思い知りました。会社のあるサイエンスパークではパーク内の食堂かコンビニしか食事の選択肢がありませんでした。初めは付き合いもあるし、旨くはないが安くていいと思って食堂で食べていましたが、1週間もすると体に異変が生じてきました。背中に異常な痛みを感じてまともに動けないぐらいだったので医者に行くことになりました。結石でも出来たのかと思うほどでしたが、診断結果は便秘。でも今まで便秘になったことなんてなかったし、その前日までも毎日出ていたので不思議でした。とりあえず下剤を2,3日分処方してもらって残りをすべて出し切って痛みはなくなりましたが、それ以降は逆に朝になると突然もようしてくることが多くなりました。下剤を飲んでいないのに、ほとんど同じように我慢できないぐらいの便意が寝起きや通勤バスで襲ってくることがしばしばでした。ただ、その当時は色々な所で食品を買ったり外で食べることもよくあったので原因は分かりませんでした。あまりにも疑うべきものが多すぎて。結局、1ヶ月以上経って外食が少なくなり食べる店も固定されてきて、買い物をする場所も固定されてきた頃に週末はあまり酷くないことから食堂の食事が怪しいと思い始め、試しにコンビニで弁当を食べるようにしたらパッタリと止まったのでした。恐らく油がよくなかったのではないかと思います。流石に下水油は使っていないと信じたいですが、質の悪い油がどの料理にもたっぷりと使われていたので。それ以降は数ヶ月昼飯はコンビニ弁当でした。はっきり言って不味いし、健康には良くなさそうでしたが忙しいのもあって止むを得ず買っていました。忙しさが一段落してからは帰国まで昼飯は家で弁当を作って持ってくるようにして、最終的に完全に3食自炊の生活をすることになりました。

その弁当を作るのも結構大変でした。冷凍食品は不味いし、安全性にはいっそう問題があるので食べたくない。日本で弁当を作っていたときにはスーパーの惣菜も使っていましたが、近くのスーパーの惣菜はやはり不味いし、買ってすぐに食べても食中毒になるものもあってとても使えない。野菜もしなびた野菜ばかり売っているし、どれだけ農薬まみれなのかも分からない、肉は売り場からして臭くて不衛生で色も悪いので買いたくない、魚はきれいな水がほぼ存在しない中国で特に淡水魚を食べるのはとてもリスキーです。ということで家の周りではまともに食べられるものを見つけるのは困難でした。野菜は見た目が新鮮なものは近くの八百屋や市場で買うことができましたが、これも安全とは思えない。最終的に食材はバスを乗り継いで片道1時間かかる輸入品を多く扱う外国人向けのスーパーCity Shopでほぼ全て調達するようになりました。日本で言えば成城石井みたいなものでしょうか。近くのスーパーに比べれば品質は格段に上です。値段もそれなりに高いです。まあそれでも日本やタイのスーパーに比べても大分落ちる気もしますが。野菜は自社農園で育てたものなのでそれほど大量に農薬を使ってはいないと思われます。しかし念には念を入れて葉物野菜は洗剤で洗い、皮を剥けるものは厚めに剥き、それ以外は湯でこぼしてから使っていました。肉は他のスーパーに比べればましですが、所詮は中国産で根本的に味も安全性も落ちるので少量だけ使い、かなりベジタリアンな食事が多くなりました。生鮮食品以外は基本的に輸入品を買い、年末年始にタイに行ったときや旧正月と3月に日本に帰った際に缶詰、ホットケーキミックスなどを買い込んで、極力チャイナフリーになるように気を付けていました。皮肉なことですが中国で生活するうえで大事なことは極力チャイナフリーにすることだと思います。実際、中国人の富裕層も中国製の食品は避けているので、外国で粉ミルクの買占めなどが起こるわけです。

このように身をもって知った中国食品の危険性、個別の食品について今後更に紹介していこうと思います。自分はもう中国産であることが明らかな食品は絶対に買わないです。
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by Y-Iijima_PhD | 2013-05-04 00:08 | 日常