デンマークでポスドク、大学発ベンチャーで研究員をした後、ひょんなことから大学の助教となった一博士号取得者が日々感じたこと、たまにサイエンス(主に化学)についてつづります。


by Y-Iijima_PhD
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博士の日

5月7日は博士の日だったそうです。

1888(明治21)年のこの日、伊藤圭介(植物学者)、菊池大麓(数学者)をはじめ25人の学者に博士号が授与されました。
 これが日本初の博士の誕生です。
 当時は論文の提出による博士号ではなく、教育への貢献を評価された名誉博士的なものでした。


リンク先にあるグリム童話のものしり博士の話を読むと、博士ってなんていい身分なんだと思うけど、現実はそれはそれは厳しいものです。でもそれは日本で博士号を取ったからかもしれません。欧米では大体の人は博士課程に進む前に就職しているので職歴もあるから博士号をとった後の選択肢も広いし、企業も博士号取得者には給料も役職も優遇することが多いので博士号をとるメリットも大きいものとなっています。

日本では去年ポスドク問題が結構議論になっていましたが、最近はかなり下火になってきました。これは問題が解決されたというより、こちらで議論されているようにおそらくポスドク側は国は何もしないということがわかったので言っても無駄だと思うようになったのと、将来性の見出せない博士課程に進む学生の数が減ってポスドクの供給が減ったからだと考えるのが妥当だと思います。つまりは自然消滅。解決策を何も見出せないまま当事者がいなくなって終わりということだと思います。

その結果どうなるかということに関してはこちらのBlogにいろいろ書かれています。自分も基本的には同じように考えています。研究機関としてのアカデミアは衰退するでしょうが、学歴ブランドを付与する機関として大学がなくなることはないでしょう。工学系の修士にしてもどこの大学、研究室出身で、いわゆる人間力があるかどうかが大事で、具体的に何をやったかはその研究室で卒業できる程度の訓練を受けているんだったらあまり関係ないといった感じがします。

まあ自分はもはや日本でアカデミアに行きたいとは全く思わないので、どうなっても別にどうでもいいやという感じです。そもそも日本に帰ること自体前向きには考えられない状況です。政治は全く信用できないのに税金を払って、政治家や官僚が無駄遣いするなんて無意味にしか感じられないし、社会システムは崩壊しつつあるというか現状では自分たちの世代は負担が増えるばかりで全くメリットのないシステムなので早く崩壊して新制度に移行してもらわないと困るのですが、それも望めない。若者に自殺者が増えているのもこれらに無関係ではないでしょう。考えれば考えるほど日本は次の世代、若者のための国ではないんだということがよくわかります。そして政治家も票を取るためには若者よりも数の多い年寄りの利益を優先する政策を唱えた方が有効なのでしょう。ますます日本では子供も育てられないという状況になり少子化も進みそうです。「でも、こんなときだからこそ国内で頑張らないといけない」という意見も聞こえてきそうですが、よほど思い切ったことでもできない限り、その努力が現状システムを維持することになりますます自分の首を絞めていくことになりそうな気がします。経済も「失われた15年」の後は衰退の10年にでもなるんじゃないかと思っているので、自分が現役の間はほとんど日本には期待できないんじゃないかとも思っています。ここで都市部で大地震とか自然災害が起きたら一気に落ちぶれそうな気がします。早くこんなことをいちいち考える必要のない状況になりたいです。
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by Y-Iijima_PhD | 2008-05-08 08:51 | ポスドク問題