デンマークでポスドク、大学発ベンチャーで研究員をした後、ひょんなことから大学の助教となった一博士号取得者が日々感じたこと、たまにサイエンス(主に化学)についてつづります。


by Y-Iijima_PhD
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ドイツの博士

ドイツ人の同僚が言うにはドイツでは博士号を取るとパスポートにも免許証にも名前の前にDrをつけることになるんだそうです。学生のときは金もないので扱いのひどかった銀行もDrをとると手のひらを返したように態度を変えるんだとか。まあ学生だから金がないとは行っても博士課程の学生は給料20万円ほどもらえるようだから日本とは大違いです。というか日本が異常なんですが。警官も免許証にDrとあるとやはり対応が違うそうです。ドイツのサイトで航空券や電車のチケットを買うときもタイトルにDrの選択肢があるので、ドイツではDrがイギリスのSirまでは行かないにしても回りから尊敬を集める称号のようです。

翻って日本では、何も知らない人にしてみればなんだかすごそう、ちょっと知っている人からはすごい、もうちょっと知っている人からは大変ですね、企業からはうちは博士は取りませんといわれる始末。まあせいぜいとってもいいよというぐらい。しかもお金がないのはドイツ人博士の比ではありません。

だからドイツがいいかというとそうでもなさそう。それはこれを話したHamburgで学位を取り、Hamburgを絶賛したドイツ人がデンマークに来てもう10年以上、こっちにアパートも買って、ドイツに帰る気がないことからも想像できます。

ドイツも出生率の低下による少子高齢化がすすみ、年金、社会保障を維持するのが困難になりつつあるようです。しかもシステムはほとんど日本と同じ。おそらくドイツは日本がこれからどんな対応をしていくか注目していることでしょう。そしてほとんどの場合、反面教師としてみていくのではないかと思います。団塊の世代の引退により、今の就職は売り手市場のようですが、バブル崩壊以降採用を抑えて、人材を育てないできたつけがこれから大きく響いてくるのではないかと思っています。そして後5年もすれば団塊の世代の人たちが本格的に年金をもらい始めるので現行制度で行けば、現役世代の負担が大幅に増加することは間違いないです。

大学の方もつぶしの利かない博士課程へ進む学生は減ってきているし、授業料も上がり続け、生活費も高くなっているので、今までのように人件費のかからない大学院生による無償労働で研究を続けていくなんてことはもう成り立たないでしょう。

日本がこれからどうなっていくか、まあおそらく悪くなっていくと思いますが、国外からさめた目で見ていきたいです。
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by Y-Iijima_PhD | 2008-06-14 07:02 | ポスドク問題