デンマークでポスドク、大学発ベンチャーで研究員をした後、ひょんなことから大学の助教となった一博士号取得者が日々感じたこと、たまにサイエンス(主に化学)についてつづります。


by Y-Iijima_PhD
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カテゴリ:サイエンス( 9 )

事業仕分け

民主党政権に変わり各省庁の概算要求に対する事業仕分けが行われました。大学関係者にとってもっとも重要となる文科省関連の仕分けも結果が出たようです。

この結果に対する反発などもいろいろ書かれ始めています。もっとも自分に関係ありそうなことはこの部分でしょう。

【競争的資金(若手研究育成)】博士課程修了者らに経済的不安を感じさせず研究に専念させることなどを狙った特別研究員事業(要求170億円)は「雇用対策の色合いが強い」「民間に資金を出してもらえないか」との意見が相次ぎ、予算削減となった。若手研究者養成のための科学技術振興調整費(同125億円)と科学研究費補助金(同330億円)も削減との結論。


今回書いた科研費も当たる確率がさらにさがるんでしょうな。まあ自分のやりたいことは基本的に応用研究だし、もろもろの環境を考えるとやっぱりヨーロッパの企業がいいなと思っているので、そっちにアプライするほうがずっと大事です。時間も取れるようになってきたし、リサーチを再開しますか。

ボス的には今のところで頑張って結果を出せばどこか探してやるような感じでいますが、それはそれで一つの伝統的な方法ではありますが、自分としてはそういうパターナリズムに違和感を感じるので、自分で見つけたいものです。それに自分で決めたことであれば、頑張って成果を出そうと思うし、仮に失敗だったとしても自己責任だし、また次を見つけてやろうという気にもなるだろうし、納得してやっていくことができます。サポートしてくれるのはありがたいですが、個人的には最小限のものにしてほしいし、古い価値観、思い込みで勝手に決めないでもらいたいです。

まあどうあがいてもしばらくは環境は変わらない(悪化はするかも)ので適度に息抜きしながらやっていきます。でも最終的にはこうありたいものです
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by Y-Iijima_PhD | 2009-11-13 23:03 | サイエンス

若手への逆風

東京もすっかり秋めいてきました。でもまだ昼間はちょっと暑いぐらいのときもあるのでデンマークとは大違いです。研究室内でもそろそろtert-ブタノールが凍り始める季節になりました。ほとんど外に出ることのない合成化学者でも季節を感じるときです(風流さのかけらもないですが)。他にもDMSOとかうちではめったに凍らないけど酢酸なんかも寒くなると凍ってきます。

こんな寒くなり始めた時期に研究者をさらに寒くさせるようなニュースがありました。

平成22年度科学研究費補助金の新規募集課題の公募停止について

平成22年度「概算要求の見直し」に伴い、下記研究種目については平成22年度の新規募集課題の公募を停止することとなりました。

1. 平成22年度新規募集課題の公募を停止する研究種目
(1) 「新学術領域研究(研究課題提案型)」(文部科学省より公募)
(2) 「若手研究(S)」(日本学術振興会より公募)


ということで研究者が最も頼りにしている資金が削減となりました。最近では額も頭打ちで競争がどんどん激しくなっているなか2領域をばっさり切るという事態になりました。若手Sのほうはかなり特殊というか額も大きく若手の精鋭しか取れないものですから自分には全く関係ないですが、もう一つのほうだと出してみる価値はあるものでした。ということで基本的に若手研究者向けの資金が削られたと見てもいいのではないでしょうか。つい先月、若手の研究費は2回しか取れないという回数制限が導入されたうえに削減ですからなかなか味なことをします。

まあ一般的な世論からすれば何しているんだかわからないことにお金をつぎ込むわけですから公共事業よりも不透明な資金かもしれませんし、実際自己満足のためにやっている部分も多分にあると思われるので最も無駄と判断されても仕方ないのかもしれません。そして若手に対する逆風は世間の新卒採用削減、派遣社員、契約社員の増加とほぼ同じ構造なのでしょう。いやむしろまだまだ古い体質が温存されているのでよりひどいかも。まあ知ってたけどね。何でそれでもこのポジションにいるかは、まあいろいろあるわけですよ。それも古い体質によるものです。

まあ改めて沈み行く船の中での椅子取りゲームなんだなと認識しました。日本全体そんな感じですけど。チキンレースと違って早いうちに抜け出すほど新たな可能性は開けてくるかもしれません。自分は古いキャリアパスには何の興味もないし、今後日本がよくなるとは期待していないし、妙な平等意識は持っていないし、出る杭は打たれる国で新しいことをする気にもなれないので、やっぱり外に出たいなと思い続けてます。まあアメリカはいろいろと好きになれないので違う国がいいな、いけるなら。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-10-16 23:51 | サイエンス

ノーベル賞、最先端研究

今週はノーベル賞ウィークだったので毎日誰が取るかノーベル財団のホームページでチェックしていました。平和賞がオバマ大統領だったのはびっくり。まだ何もしてないじゃん。残念ながら今のところ日本人の受賞はなし。予想にも上っていた人は2人ぐらいだったと思うのでまあそんなもんでしょう。化学賞が一番盛り上がるところですが、受賞はリボソームに関する研究。完全に生物の研究だったので研究室の学生ともども一気に冷めました。近い分野で取るんじゃないかという人がいるのに全く違う分野での受賞です。せめて化学ならいいけど生物だと全く知らないしどれだけすごいのかいまいちわかりません。最近生物系が多くなっている気がするので化学者としては残念な限りです。

そんな中前にも書いた最先端研究に動きがあったようです。どうも毎日しか取り上げていないようです。どうせ消えてしまうでしょうから全文引用しておきます。

先端研究費:700億円減額 支給対象者数は大幅に増

政府・与党は今年度補正予算見直しの一環として、総額2700億円の研究費を30人の研究者に分配する「最先端研究開発支援プログラム」を700億円減額し、支給対象者も大幅に増やす方針を決めた。現在の支給対象者30人は、1人あたりの支給額が平均で3分の1程度に減る。

 方針によると、2700億円のうち700億円を執行停止▽1000億円を現在の支給対象者30人に配分▽残りの1000億円を若手研究者など、新たに決める支給対象者に振り分けるという。現在の支給対象者にはこれまで1人あたり30億~150億円、平均90億円を支給するとされていたが、平均30億円程度になる。

 同プログラムは09年度補正予算で計約4.3兆円を計上した46基金の一つ。政府の執行見直し対象になっていた。支給対象者の30人は、麻生政権が総選挙後の9月に発表。岡田克也・民主党幹事長(当時)が「この時期に決まることに違和感を覚えないわけではない。凍結することも当然ある」と指摘していた。


予想通り減額。特に1グループあたりの配分額が3分の1になりました。それでも科研費の最大額の10倍もあるけど。1000億円を若手用にまわすというのはいいような気がします。科研費が若手用の研究費が2回までしか取れなくなるので、その分の埋め合わせになるならいいんじゃないでしょうか。まあおそらく自分には関係ないでしょうが。そんな先までアカデッミクにいるかはわからないし、講座制だと別に自分がとったからってその予算で自由にできるわけではないので。それはどんな予算に関しても同じですが。取れたらとりあえずは自分の実績としてCVなりに書けるのであれば出す価値はあるかな。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-10-10 00:20 | サイエンス

2700億の行方

今年度の補正予算に計上された総額2700億円を30人の研究代表に支給するというかつてない規模の予算配分先が今日発表されました。当然、うちの研究室は選ばれるわけはないのですが、知り合いの先生が通れば共同研究でいくらかもらえるかもしれないというのが、大抵の選考対象外の研究者が考えるところかもしれません。当選者の一覧はこんな感じです

専門外でも名前を聞いたことがある人たちが結構います。そしてその中には実際に会ったことのある人も何人か。といってもここからうちにお鉢が回ってくる可能性はかなり低いです。うちは地道に自分たちの研究で予算を獲得するよう努力しなければなりません。

とりあえず自分の申請書も大学からの助成金はもらえたので少しは足しになりました。結構大き目の予算に出したものはどうも厳しそうなので、これは別のところに出すことになりそうです。そして科研費もいろいろ書かなければなりません。さらに自分の実験をやって、来月から始まる講義の準備をしてとなると今月はかなり忙しくなりそうです。

ちなみに今回の大型予算は自民党政権下で決められたことなので、発表にも待ったがかかっていたようですが、政権交代前に駆け込みで発表されたような感じです。発表した以上なかったことにはならないと思いますが、Natureにも批判されているようですし原文はこちら)、民主党は補正予算の見直しをするといっているので額に関しては変化があるかもしれません。そのほかの予算についても全て同様、科研費は今年は変わらないでしょうが、来年以降また違ってくる可能性もあるかもしれません。鳩山さんは理系でPh.Dももっているし、うちの大学にもつとめていてアカデミア経験のある人だし、菅さんもそうだから今までよりサイエンスに理解のある人が政治の中枢につくのですから、本当に科学技術立国を目指すならいろいろと考えてもらいたいものです。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-09-04 22:46 | サイエンス

Science Podcast

今日から2月です。1月はいろいろあったような、なかったような。平日は都内に寝泊りするようになって時間の余裕はだいぶ出てきました。でも特別何もしていないような気もします。今月はもっと近所をぶらぶらして探検してみようかと思います。

電車通勤がかなり短くなったので、今まで行きの電車の中で聞いていたPodcastも実家に帰るときぐらいしか聞かなくなりました。それでも毎週欠かさず聞いているのがThe Naked Scientistsというコンテンツです。このPodcastはCambridge大学の学生から若手スタッフを中心としたメンバーが毎週最先端のサイエンスに関するさまざまな話題を取り上げ、放送している番組です。内容は全くの素人だとちょっと難しいかもしれないけれど、専門外でもわかるようなレベルにはなっています。もちろん英語がわかればという前提ですが。1時間番組なので結構長いですが、英語、最先端の科学両方とも学べるなかなか質の高い番組です。日本じゃなかなかこんな専門的な番組にはお目にかかれません。

それにトップレベルの大学が科学振興のためにこのような番組を作っているということ自体すごいと思います。日本でもサイエンスカフェなどのイベントが行われるようになってきているようですが、日本の大学で同じようなことをするのは難しそうです。オープンキャンパスですら苦労していますから。そして雑用だらけで時間がない、一般に発信することに興味がない、官僚機構並みの縦社会で横のつながりが希薄などなど越えなければならないハードルはかなり高そうです。さらにスポンサーを探すのも難しいでしょう。

まあ自分も学部時代は学内向けにこういった活動をしている団体に所属していたのですが、そこは大学生協がスポンサーだったのでうまくいっていたんだと思います。取材に行った先生にもいろいろな人がいて苦労も結構あったけれどいい経験だったと思います。自分も化学者の端くれですし、せっかくブログも書いているのでもっと発信していったら良いのかなと思います。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-02-02 00:28 | サイエンス
Yahooニュースに載っていた遺伝子の個人差で離婚危機2倍=スウェーデン男性900人調査というニュース。結構突っ込みどころがありそうな気がします。研究の内容は

遺伝子「AVPR1A」は、脳神経で神経伝達物質のアルギニン・バソプレシン(AVP)を受け取るたんぱく質(受容体)を生み出す機能がある。ハタネズミ類ではAVPが多かったり、受容体がよく働くタイプだったりすると、社会性が高く、一夫一婦を好むようになることが実験で確認されており、ヒトでは自閉症の発症リスクに影響する可能性が指摘されてきた。


ということで、要は受容体が多いと社会性が高くなるということのようです。この社会性というのがいまいちよくわからないですが。ネズミだから世間体を気にするとかはないだろうし。記事ではこの遺伝子が特定のタイプだと離婚しやすいと書いてありますが、特定のタイプだと社会性が低い、つまり自分勝手という感じに解釈してもいいのでしょうか。一応元文献に当たってみましたがオープンアクセスじゃないので家からはアブストラクトしか読めません。明日研究所で読んでみます。結構権威あるジャーナルだし、ちゃんと査読を通っているのでデータとしてはしっかりしているのでしょう。

しかし、データをとったのがSwedenというのがどうも。そもそも離婚率50%とも言われている国だし(厚労省の定める離婚率とは異なります)。デンマークも同じぐらい高い離婚率で、おそらく北欧は軒並み高めなのではないかと思います。それは女性の社会進出が進んでいて、福祉もしっかりしているから離婚してもそれほど暮らしに困らないからということがあると思います。だから実際に離婚するかどうかは社会状況や教育、育ってきた家庭状況によって変わってくると思います。

まあこの研究は男性についてのみで、実際に離婚するかどうかというより結婚生活を破綻に導くような言動をしやすいかどうかということに遺伝子が関与するかということなんだと思います。人種も文化背景も違う人たちで奥さんが結婚生活に耐えられないぐらいの不満を感じたことがあるかどうかとこの遺伝子の相関を調査をしたらもっとよくわかるのかなと思います。でも一夫多妻制のところだったり、昔の日本のように妻問婚とかだったらどうなんだろう。基本的には離婚云々ではなく、この遺伝子が性格に影響を与えるかどうかを客観的に評価できるかどうかが重要なんだと思います。それが記事にもあるとおり自閉症の発症にもかかわっているかを知る点でも重要だと思います。
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by Y-Iijima_PhD | 2008-09-03 07:34 | サイエンス

ミニシンポジウム

今日は会社でChemical Biologyにフォーカスしたミニシンポジウムが開かれました。講演者はUSAのUniversity of Wisconsin-MadisonからProfessor
Laura KiesslingとProfessor Ronald T Raines、デンマーク工科大(DTU)からDr. Thomas E. Nielsenの3人です。

Chemical Biologyというのは有機化合物を用いて生体分子の機能や反応を調べるという分野で、比較的新しい分野ですが、内容は従来の天然物化学、薬学とほぼ変わらないものから新しい技術を組み合わせたアプローチまでさまざまです。自分の博士論文のテーマもこれにからんだものも含んでいるのでそれなりに詳しいですが、今回は詳しい説明は割愛します。

Kiesslingはこの分野の中心的な人物でアメリカ化学会が発行するChemical Biologyに関する論文誌のエディターも勤めています。今日の講演内容は砂糖(ガラクトース)を束ねた分子を作って、レセプターに対するクラスター効果を調べるというものでしたが(易しい説明は割愛します)、その指標に大腸菌がエサの方に向かって進む走化性を利用しているのがユニークでした。

大腸菌は細胞表面のレセプターが砂糖を認識すると、シグナルが鞭毛に伝わり、濃度の濃い方に向かって動いていくのですが、砂糖を束ねた分子を投入するとレセプターは常に砂糖を認識した状態になり、鞭毛は常に同じ方向に向かって運動し続けるようになり、大腸菌の動きも直線的になります。まるで馬の目の前にニンジンをぶら下げたような感じです。

細胞表面には他にもアミノ酸やらいろいろな分子を認識するレセプターがあるので他の分子でやってみるのも面白いし、うまく組み合わせれば細胞の動きをコントロールするプログラミング分子のようなものも作れるんじゃないかと思う興味深い内容でした。

二人目のThomasは自分のいるグループでポスドクをやっていた人です。以前一度だけ会ったことがあります。彼はその後HarvardのSchreiber研でポスドクをやった後、優秀な研究者をデンマークに呼び戻すための奨学金を取ってDTUで自分のラボを持っています。人材のみが資源のデンマークで人材流出を食い止めるために作られた制度です。日本も同じような状況のはずなのに全く引き止める気がないように感じます(自分には関係ないですが)。今回は授賞講演も兼ねているのでうちのグループ、Schreiberのグループでやった内容の総集編といった感じでした。

三人目のRainesは研究的にはあまり知らないのですが、ある意味有名な人です。彼は第一講演者のKiesslingの旦那さんです。2年前京都の学会でも一人娘もつれて家族そろってきていました。今日も娘もつれてきていましたが、前に見たときは幼稚園生ぐらいだったので結構大きくなったと思いました。その京都の学会のときに聞いた話ではKiesslingを招待するときには必ず夫も招待して、講演させないといけないんだそうです。本当かなと思っていましたが、どうも本当のような気がします。講演内容は非常にオーソドックスなBiochemistry。まあそれなりに面白かったけど、やっぱり奥さんの方に比べると見劣りします。本人もやりにくいんじゃないかなと思うけど、まあそれは本人のみが知ることです。

研究所では通常毎週金曜日にセミナーで主に外部から人を招いて講演会をやっていますが、前期のセミナーはこれにて終了です。来月からは徐々に夏休みモードになり、休みを取る人も増えてきます。自分も夏休みの予定を立てたいですが、もしインタビューのお呼びがかかったら、日本から突然来訪者があったらと思うと予定が立てられません。どちらもあるとしたら直前までわからないでしょうから困ったものです。でもどちらもないというのも困ったものかもしれませんが。
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by Y-Iijima_PhD | 2008-05-27 07:55 | サイエンス

Medicon Valley

明日はデンマーク語のテストですが、まあ最初のテストだし何とかなるだろうということで記事を更新します。別に落とすためのテストではないし。テストが終わったら今までやらなきゃと思っていた就職活動を本格的に始めようと思います。それで今注目しているのはデンマークのコペンハーゲン周辺地域とSweden南部のSkåne地方を含むØresund地域にあるライフサイエンスクラスターMedicon Valleyです。

そもそもデンマークは今いるCarlsberg Laboratoryに始まり、ライフサイエンス分野の研究は結構盛んで、国を挙げてその強みを生かしていこうとしているように感じます。産学連携も盛んで、さらに病院とも連携して効率的な研究開発を目指しているようです。Novoを初めとした大企業もあるけど、大学や企業からスピンオフした中小ベンチャーも多くあり、活発な人の流れ、お金の流れがありそうです。普段の仕事の様子からは想像もつかないけど。国としての選択と集中がうまく機能しているから一つ一つの企業は日本なんかに比べれば多分結構のんびりした感じなんだろうけど、全体としては活発な流れを生み出しているのかもしれません。

バイオテクノロジーを利用した製薬会社が中心ですが、合成化学者を必要としている企業も少なくない数であります。とりあえず会社の規模にこだわらず面白そうな仕事をしていそうな企業には片っ端からアプライしてみようかと思います。合成技術、経験は一般的なデンマーク人、ヨーロッパ人ポスドクより上だと思っているので数うちゃあたると信じています。うまく採用されたとして、その企業が仕事内容も給料も満足いくもので、まだまだ発展していきそうだったら長くいてもいいし、とりあえず2,3年働いて経験をつんで、さらにいい条件を求めて動いていくのもいいと思っています。一度パーマネントなコントラクトさえ得られれば後はいかようにもできると思います。ヨーロッパの流動的な雇用体制で生き残っていくというのは不安はあるものの、アクティブで魅力的でもあります。

さらに今年から日本とデンマークの間の科学技術研究協力も始まります。これは一昨年の11月にデンマーク首相が来日した際に提案したものですが、その際に首相が母校で講演をして特に協力関係を持ちたいといったようです。ということで自分ももしかすると微妙にからんでいく可能性も無きにしも非ずです。さらに

メディコン・バレーと日本の神戸のバイオテク・クラスターの提携が成立し、神戸から最初の「メディコン・バレー大使」がもう直ぐ正式に着任されます。メディコン・バレー側は、世界の多くの国からの大使の受入を考えていますが、日本からの大使はその第一号となります。


ということで、日本との連携はどんどん活発になっていきそうです。これがいい流れでお互いの競争力を高めて行ってくれればいいと思います。そして自分はゆくゆくはデンマークで日本との連携の橋渡しをできればいいと思っています。日本との連携で最大の障壁が言葉の問題でしょうから、化学、サイエンスがわかりデンマーク語も英語もできる日本人はかなり重宝するんじゃないかと思います。この辺は今後良い売り込み材料になりそうです。そのためにはデンマーク語はもちろん英語もレベルアップする必要がありますが。でも、考えただけでわくわくしてくるし、夢も膨らみます。とりあえず頑張ってみます。まずは明日のテストから。
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by Y-Iijima_PhD | 2008-05-05 07:44 | サイエンス

Lineær algebra

デンマーク語の勉強のためデンマーク語の本を買ってみました。タイトルはLineær algebra。日本語だと線型代数です。線型代数とはいわゆる行列を扱った数学です。高校でもやったんだっけ。なんかちょっとだけ習ったような気がします。でも、基本的には大学1年のときに習いました。

行列とかベクトルに関する数学で、他の数式を使った数学とはちょっと毛色が違うので周りの人はあまり好きでないようでしたが、自分はなぜか微分積分より好きでした。概念も計算方法も今までの数学とはちょっと違ったので新しい言葉を習っているみたいで面白かったからかもしれません。もちろん初歩の初歩しかやらなかったからそれほど混乱することもなかったからだと思います。しかし、日常生活はおろか専門でも微分積分以上に役に立っていないです。そのためほとんど忘れています。

でも、本屋を物色しているときにふと目に留まったので買ってみました。かなり薄っぺらいし、デンマーク語も数式の説明程度に載っているぐらいなので数学の復習をしつつデンマーク語の勉強もできます。下手にアンデルセン童話なんかに手を出すより、内容は大体わかっていて誤解しようのないこういう本の方が自分にはいいような気がします。

まあ、ここで出てきた単語を日常生活で使うのかという問題はありますが。それに多分、語学学校の先生も知らないだろうからわからないところがあっても質問できないかもしれません。しかし、いったいデンマーク人は線型代数なんて知っているんだろうか。大学進学率も思っていたほど高くないみたいだし、算数すら怪しい人が多そうなので本当にごく少数の人しか知らないかもしれません。Niels Bohrを輩出した国だから一部の人はできるんだろうけど。需要が高くないからかデンマークで専門書も扱っているような本屋は見たことがないです。そんな中では日本の大学教養課程レベルのこの本は結構レアなものかもしれません。ぼちぼち頭の体操しながら読み進めていきます。
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by Y-Iijima_PhD | 2008-04-07 06:51 | サイエンス