デンマークでポスドク、大学発ベンチャーで研究員をした後、ひょんなことから大学の助教となった一博士号取得者が日々感じたこと、たまにサイエンス(主に化学)についてつづります。


by Y-Iijima_PhD
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2月も終わりですね

2月ももう最終日です。あっという間に時間が過ぎている気がします。去年の今頃だとようやく日も長くなってきて、1ヵ月後のイースターにどこに行こうかと考えていた時期で、もう少しゆったりと時間が流れていた気がします。日本に帰ってきて日帰りの京都出張以外どこにも行っていないし、年末年始以外まとまった休みもないのでどこかに行きたいという気持ちが強いですが、そんな暇もないし、そもそも休みもありません。

今の会社との契約は当初3月まででしたが、4月まで延長してもらう予定です。しかし、3月中に今の場所から撤退しないといけないことになっているので3月は引越しで大して実験もできません。D2からD3になるときにも研究室の引越しがあり、片づけしているとたいてい得体の知れない過去の遺物が発掘されてくるのですが、前は隣の建物に移るだけだったからよかったけど、今回は完全撤収しないといけないのでこういった遺物もすべて処理しないといけません。でもまだ一週間ぐらいは実験して、その後また京都出張の会議があって、引越しの準備を始めるのは実質3月10日以降。その1週間後には最後の廃液、産廃の申請があるのでそこまでに廃棄するものはまとめておかないといけないのであまり時間がない気がします。

引越しにより研究の拠点は大学の別のキャンパスと、都内某所の2箇所になります。4月もいることになるので自分もどちらかに移るのかなと思っていましたが、またしても裏技が。1ヶ月だけだし、4月はまだ研究室に4年生が入ってきても大してやることもないだろうということで、自分だけ居残りで研究室の空きベンチを使ってやらせてらうことになりました。せっかく外に出れると思っていたけどまだ無理なようです。ということで関係者の皆さんよろしくお願いします。

今借りている部屋も実験が一段落する3月中旬までにしてあります。でもその後1ヵ月半もあるとなるとまた部屋を借りるかどうか、通いでがんばるか迷うところです。借りるにしても次は別のところにしますが。今も週末は実家に帰ってきているので、平日の3,4日だけ泊まるということを考えると安めのホテル暮らしでも大して値段も変わらないかもしれないし、より快適かなとも思うのでその線でも検討していこうと思います。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-02-28 16:40 | 日常

犯人の名は

BBCのサイトで見つけた笑えるニュースから。

アイルランドで何度も交通違反を繰り返し、切符を切られながら毎回違う住所を示して逃れていた犯人が捕まったそうです。その名はMr Prawo Jazdy。しかし、その実体は人間ですらなかったのです。



実はPrawo Jazdyというのはポーランド語で運転免許証。免許証の一番上にかかれている部分をアイルランドの警官は名前だと思ってずっと追いかけていたようです。これもEU内ではどこの国の免許証でも自由に運転できるからこそ起きる事件です。

違反切符の名前が間違えてつけられているから払わなくてもばれないということだったのでしょうか。日本だったら律儀に払う人も結構良そうな気がします。それに日本だと公式文書などは日本語以外ではほとんど受け付けてないのでこういう問題は少なそうです。ただこれはデンマークに住民票を示す必要があったときに英語のものも発行できないので少々面倒なこともありました。

日本だと外国語の書かれたTシャツでたまに変なことが書かれているのが見受けられます。意味もわからずに着ていると外国人がいる前では変に思われます。でも外国に行けば今度は漢字のタトゥーをした人も結構見かけます。中にはちょっと恥ずかしいものも、直江兼続ばりにどうどうと掲げている人もいたりします。まあ要はどっちもどっち。お互いに意味など大して知らず、デザインで選んでいるのが大半なんだと思います。

人も文化も自由に移動できるようになった現代、あまり細かいことでカリカリせずに、小さなことからでお互いの国の文化に興味を持って交流していくほうが面白いです。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-02-22 19:31 | 世界のニュース

注意一秒怪我一生

2,3週間前会社のメールに大学から実験の際の注意喚起の案内が来ました。その内容はt-ブチルリチウムの発火事故で学生が死亡という事故に関してで実験をする際にはくれぐれも注意するようにとのことでした。

事故の内容などはリンク先を見てもらえればわかりますが、t-ブチルリチウムは空気中で発火する物質で非常に危険な薬品です。しかも溶媒として使われているのがペンタンというガソリンよりも燃えやすい炭化水素なので事故のように噴出せばあっという間に火炎放射器の出来上がりということになります。危ないもの、毒性のあるものというのは活性が高いということなので合成化学では重要な試薬であるわけですが、扱いには細心の注意が必要です。自分のいた研究室ではt-ブチルリチウムを使うときは後ろで消火器を構えていてもらうことになっていました。自分は使ったことないですけど、似たような試薬は使っていましたね。ちなみに火は出したことはありませんが、消火活動は何度かしたことがあります。その一つが今回の事故物質に近いt-ブチルグリニャール試薬だった気がします。

大した量じゃなければ周りにある可燃物をどけて自然消火を待ってもいいんですけどね。あせって消火器を使うと勢いでビンを倒して延焼なんてこともよくあるようですから。基本的には事故を起こした人は気が動転しているので何もさせず、周りが対処するのがより安全です。そのためにも一人では実験をしないというのが大切なのですが、なかなか大学の研究室だとそうも言っていられない場合もあります。まあこれはシステムの問題でもあるので改善のしようはあると思います。

かく言う自分も昨日試薬の溶液をこぼしてしまって白衣と実験台、床の一部を黄色に染め上げてしまいました。まあ食用の天然色素なので害はない、どころか薬、健康食品として使おうとしているものなので大丈夫なのですが、もはや白衣ではなく黄色衣(一部だけど)になってしまいました。それでも一瞬の気の緩みが大惨事につながることはままあるので注意力が衰えたら無理してやってはいけないなと思います。ということで週末はゆっくり休みます。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-02-21 00:12 | 化学
今日はGDPの速報値が発表され、年率で12.7%と大幅なマイナスとなりました。アメリカもヨーロッパよりもずっとひどい値です。これは輸出産業が崩壊したことが大きいですが、どうもこれで本来の値に戻った、つまりは今まで過大評価されていたがメッキがはがれ実力どおりの値になったようです。もうすでに破綻していたシステムを多くの犠牲を払って延命していたのがようやくダメになったという感じです。でも世の中的にはまだまだこのシステムを維持したい人が大多数のように感じられるのでしばらくは下がり続けていくのでしょう。システムが変わらない限り希望は見えないような気がします。

そんな中、今日は出身専攻で修士論文発表会が執り行われました。自分が学生時代にかぶっている一番下の学年がついに社会に飛び立とうとしています。もっともうちの研究室は5人中4人が博士課程進学という状況で今のご時勢、博士への風当たりを考えるとどうなのかなと思います。まあ化学系だし、みんなどこかには決まっているけど、年々厳しくなってきているというのを自分が学生時代のときから感じています。例年だったら今の時期M1、D2は就職が決まっているけど、今年はまだ始まってすらいないようなのでどうなるかは全くわかりません。

発表のほうは頑張ったというのは伝わってきました。まあ修士だからこんなもんでしょうというのもあります。基本的に卒論はお祭りで、修士は特に結果を求められるわけでもないので頑張ったで賞(頑張りま賞もいるかも)みたいなモノになりつつあります。専門家というには足りないけれど、一通りのことはできるようになっているはずということで日本的企業には使い勝手のいい人材なのでしょう。個人的には新卒偏重なんかも一緒に破綻してくれたほうがありがたいし、日本の経済成長のためにもよくなるのではないかと思っています。とにかく今はドラスティックなチェンジが必要なはずです。経済危機の震源地のアメリカよりもはるかにひどい打撃を受けているんだから根本的にシステムが間違っている、時代遅れになっているというのを認識するべきだと思います。と、これから社会に出る人たちには常識、古い価値観を疑い、時代にあったシステムを作っていってほしいと思います。

自分も少し違うことにチャレンジしてみようかなということで株をはじめようかなと考えています。デンマークのときも今も同僚でやっている人がいるのでそれほど特別なこととも思っていません。基本的にデイトレードで儲けようとは思っていないので、長期保有を前提に最初はローリスク、ローリターンから始めて株主優待なんかも受けれたらいいかなと思います。まあ貯金の一部を金融商品として保有しておくという感じで考えています。何しろ政府紙幣発行という無利子国債をばら撒いてインフレの危機を政府は引き起こそうとしているかもしれないので、現金での資産保有は危険が大きくなりそうですから。大幅なインフレが起きると借金の額面は変わらないから実質的な負担は減り、徳政令のような状態になります。自分の奨学金という名のローンも負担が減るので良い面もありますが、生活資金にも事欠くようになるやもしれないので、日本円以外でも資産を保有しておくことがこれからの時代に必要になってきそうな気がします。次の仕事が始まるまでには始めようかなとちょっと勉強を始めます。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-02-16 23:17 | 日常

近況

2月も第2週に突入。先週は2連ちゃんの長時間会議があり、そのための打ち合わせと称して、あまり身のない会議があり、資料作りで要求がどんどん増えていき、実験は大して進まなかったけどかなり疲れました。毎回会議のたびに思いますが、非常に効率が悪いです。どうにかならないかと思っているけど、今の状況で満足どころかまだ足りないと思っている人がいるので効率アップは期待薄です。

今の契約は後1ヵ月半なのですが、会社からは正社員待遇でいつまでいてもいいというオファーは来ているし、共同研究先のところからもヘッドハンティングまがいのものはあります。でも、いよいよ次のポジションへの人事が動き始めました。どういう方面かはもうわかっている人が多いような気もしますし、知っている人が見ればすぐにわかってしまうのですが、本人からは一応言いません、というか言えません。そこら辺は大人の事情ということで正式決定までは明らかにはできません。後1,2ヵ月後辛抱ください。

それでそのための準備を少し始めないといけないので少しやることが増えるかもしれません。おそらくほぼ大丈夫なんだろうけど、個人的にはもしダメだったとしても大した痛手には感じません。むしろその方が気が楽だという風にも思うぐらいですが、とりあえずはがんばります。基本的に古い体質、非効率は斬って捨てるというのをにおわせる改革路線で行く予定です。それで抵抗勢力が出てこようともこちらには退出オプションがあるということで組織に迎合することはないようにするつもりです。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-02-09 22:12 | 日常

かなり恣意的だけど

今スイスのDavosでは世界経済会議が開かれていますが、日本の麻生こと阿呆太郎首相も何の目的か知らないけど出席しているようです。

それで今日のBBCのサイトのトップに載っていた画像がこちら。

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かなり恣意的な感じはしますが、今の日本に答えがないのは確か。しかも日本は低金利政策で現在の経済危機を引き起こした共犯というのがすでに世界の共通認識のようなのでただ行っただけでは恥をかきに行くようなものだと思います。そのうえここでもイギリスの前首相トニー・ブレアの名前を何度も良い間違えたようで、漢字だけではないということが世界に知れ渡りました。

そして前からちょっと気になっていたけど、麻生って英語でAsoというとAssholeに聞こえるようなので阿呆太郎というのも世界共通なのかもしれません。

やはり日本にはアメリカ以上のChangeが必要なんだと強く思うのですが、ちょっと危機意識が足りなすぎる気がするので本当にどん底になるまで何も動かないんだろうなと結構もうあきらめ感があります。そうすると自分が現役の間は日本は低迷を続けたままということもありえるので、やはり海外移住が妥当な選択のような気がします。沈み行くタイタニックで椅子取りゲームをしているより、多少居心地が悪くても救命ボートのほうが断然良いですからね。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-02-02 23:38 | 日本を考える

六本木CAVERN

近場探検第一弾ということで今日は六本木まで行ってきました。六本木なんて今まではほとんど来たことがなかったけど、いまは歩いてもいけるぐらいの近場です。都内のほかの場所に比べてやっぱり外国人が沢山いるなという感じです。でも無機質な高層ビルばかりであまり落ち着く感じではないかなとも思います。

目的はベルギービールのお店だったんだけど、満席で入れず。それで少しぶらぶらしているとなにやらよさげなバーを発見。でも基本飲むだけの店のようなので適当に腹ごしらえしてからいざ出陣。

今日行ったお店はココ。看板にWorld Various Beerと書いてあったので即決。中に入るといい感じな隠れ家的なバー。とりあえず今日のドラフトを注文しました。今日はBass Pale Ale。デンマークにいたときはありふれた感じのAleだったけど日本ではなかなか見つかりません。久々のAleを堪能した後は、おすすめのWeiss Bierを頼んでみました。今日出てきたのWeihenstephan Hefe Weissという無ろ過の白ビール。ドイツのWeissなのでHoegaardenほど酸味もなく、でも酵母入りでコクもあるおいしいビールでした。

ちょっと見ると懐かしいTuborgがおいてあったので、デンマークのビールはどれぐらいあるかと聞くと、CarlsbergのPilsner以外にもRoyal(微妙だけど)とか他にもいくつか取り揃えているようです。マスターはCarls Specialも知っているようでなかなか通です。しばしデンマークのビール談義をして今日はおいとましました。なかなかいい店なのでこれから通ってみようかな。お値段はデンマークプライスなので財布には結構厳しいですが。やはりここはJacobsenシリーズを紹介して是非入荷してもらうようにしないと。

いい飲み屋を見つけて探検第一弾はいい収穫がありました。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-02-02 23:11 | 今日のビール

Science Podcast

今日から2月です。1月はいろいろあったような、なかったような。平日は都内に寝泊りするようになって時間の余裕はだいぶ出てきました。でも特別何もしていないような気もします。今月はもっと近所をぶらぶらして探検してみようかと思います。

電車通勤がかなり短くなったので、今まで行きの電車の中で聞いていたPodcastも実家に帰るときぐらいしか聞かなくなりました。それでも毎週欠かさず聞いているのがThe Naked Scientistsというコンテンツです。このPodcastはCambridge大学の学生から若手スタッフを中心としたメンバーが毎週最先端のサイエンスに関するさまざまな話題を取り上げ、放送している番組です。内容は全くの素人だとちょっと難しいかもしれないけれど、専門外でもわかるようなレベルにはなっています。もちろん英語がわかればという前提ですが。1時間番組なので結構長いですが、英語、最先端の科学両方とも学べるなかなか質の高い番組です。日本じゃなかなかこんな専門的な番組にはお目にかかれません。

それにトップレベルの大学が科学振興のためにこのような番組を作っているということ自体すごいと思います。日本でもサイエンスカフェなどのイベントが行われるようになってきているようですが、日本の大学で同じようなことをするのは難しそうです。オープンキャンパスですら苦労していますから。そして雑用だらけで時間がない、一般に発信することに興味がない、官僚機構並みの縦社会で横のつながりが希薄などなど越えなければならないハードルはかなり高そうです。さらにスポンサーを探すのも難しいでしょう。

まあ自分も学部時代は学内向けにこういった活動をしている団体に所属していたのですが、そこは大学生協がスポンサーだったのでうまくいっていたんだと思います。取材に行った先生にもいろいろな人がいて苦労も結構あったけれどいい経験だったと思います。自分も化学者の端くれですし、せっかくブログも書いているのでもっと発信していったら良いのかなと思います。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-02-02 00:28 | サイエンス