デンマークでポスドク、大学発ベンチャーで研究員をした後、ひょんなことから大学の助教となった一博士号取得者が日々感じたこと、たまにサイエンス(主に化学)についてつづります。


by Y-Iijima_PhD
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大阪日帰り出張

帰ってきました。新大阪9時20分発の東京行きの終電に乗り、家に着いたのは12時過ぎでした。新大阪の乗り継ぎは10分しかなかったのでお土産を買う時間もありませんでした。最近、西のほうに行く用事は全て日帰りで、用件のみで一切観光なしで、往復の時間のほうが滞在時間より長いんじゃないかと思うことがしばしばです。

今回はうちの研究室で主催していた学会をクローズすることになったので、国内外から関係する有名な先生を多数招待しての学会となりました。自分は運営にはかかわっていないので基本は留守番なのですが、デンマークでの指導教官とイギリスに1ヶ月行っていた際の指導教官が来ているので挨拶に行かないわけにはいきません。ということで間を取って今日の午後だけ出席ということになりました。

会場に着いたのは午後4時前だったので講演はほとんど聞けませんでした。まあでも挨拶して、近況を話すことが目的だったのでそれはしょうがないです。前のボスとはコーヒーブレイクのときに話をして、バンケットでも少し話して向こうの状況はわかったのでよかったです。こちらも今やっていることについて軽く説明しました。イギリスでお世話になった先生は奥さんも連れてきていて、向こうで一泊させてもらったので顔見知りです。3人でそのときの思い出話なんかをしたりしました。

それ以外にも研究室のOBも何人か来ていたので話していると、もう帰る時間となりました。来た甲斐はあったけどやはり日帰りはきついです。でも今年はもう学会に行くこともないかもしれません。いい結果が出て、お金が当たれば来年コペンハーゲンで開かれる前のボス主催の学会にいけるかもしれないので、それが当座の目標です。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-09-25 01:11 | 日常

2009年9月23日

この日は我が家の愛犬の命日となりました。平成6年の7月7日の七夕生まれで、うちに来たのはその1月半後。そして亡くなったのが平成21年の9月23日、秋分の日。生まれた日も亡くなった日も覚えやすい日です。正確な死因はわかりませんが、15歳ですから人間だと80近くなので老衰による自然死といってもよく、大往生といえるでしょう。

最後は長く苦しむことなく逝ったのでよかったんだと思います。そして自分が日本にいる間で、さらに連休中で家族全員で見送ることができたのでタイミングとしてもこれ以外にはなく、安心した面もあります。明日は出張なのでもし長らえていたとしたら、まだ大丈夫なのかと心配しながらで仕事も手につかなかったかもしれません。

朝亡くなりましたが、今日は暑かったので午後には火葬にしてお骨は実家に安置してあります。しばらくは置いておくのでまた実家に帰っても会うことができます。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-09-24 01:49 | 日常

シルバーウィーク

世の中シルバーウィークの真っ只中です。特に予定はなかったので買い物でもしようかと思っていましたが、実家に帰ってきました。というのも金曜からうちの犬が痙攣を起こしてかなり危ない状態だということだったので。土曜の夜に帰るともう意識がなく寝たきりの状態でした。原因はよくわからないけど、もう15歳だから寿命が近付いているのでしょうか。餌も食べられないので点滴で栄養分を補給し、薬で紛らわしている感じですが、時折苦しそうにもがいたり、吠えたりしている姿を見ると痛ましくてなりません。もう二度とはっきり目をあけてこちらを見ることはないかもしれません。回復してくれることを願いますが、どうなるかわかりません。

ということで連休中はずっと実家にいることになりそうです。そもそもどこに行っても高くて、人がいっぱいいるような時に出かける気はないのでいいですが。それに書き物や読まなければならない論文があるのでそれを済ませて、積読中の本を読破していこうと思います。

木曜には日帰りの大阪出張があるのでその前にゆっくり休んでおく必要もあります。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-09-20 18:48 | 日常
久しぶりの更新です。忙しいのもあるけど、毎日代わり映えのしない日々なので最近書くネタがないのが一番の原因です。そんな中、ネットのニュースでエコナシリーズの食用油を回収するというのが書いてありました。多分すぐ消えるので一部引用。

花王は16日、特定保健用食品「エコナ」シリーズ全商品について、17日に出荷を停止し、販売を自粛すると発表した。対象は、食用油やマヨネーズ、ドレッシングオイルなどシリーズ46商品と、同商品を使ったドッグフード13商品を合わせた計59商品。

 商品に「グリシドール脂肪酸エステル」が多く含まれ、発がん性のある「グリシドール」という物質に分解される可能性があるため。同社では、「安全性に問題はない」としているが、グリシドールに分解されるメカニズムや可能性がよく分かっておらず、欧州を中心にグリシドール脂肪酸エステルの安全性を懸念する声が高まっていることから、販売を見合わせることにした。


生化学、食品化学は専門外ですが一般的な有機化学と生物学でわかる範囲で考えてみます。まずエコナの主成分であるジアシルグリセロールは一般的な脂肪であるトリアシルグリセロールから脂肪酸が一つなくなった形です。細胞内のシグナル伝達にもかかわっているようなので、消化管の粘膜細胞に影響がゼロとはいえないかもしれないですが、これ自身、食品中にもあるようですし、脂肪が消化、吸収される過程でもできるものなので毒性があるとは考えにくいです。最終的に腸から吸収されるときにはグリセリンと、脂肪酸になるはずだからその後は普通の脂肪と変わりません。ジアシルグリセロールがリン酸と結合してリン脂質になると、これは細胞膜の構成要素であったりもするので多少違った影響もあるかもしれないけど、調理から消化、吸収の過程でできるとは考えにくいので特に問題なさそう。

しかし、今回の問題であるグリシドールエステルとなるとちょっと危なそう。グリシドールは反応性の高いエポキシ基を持っているので、いろいろな物質と結合してしまう可能性があります。まあ加熱調理をすれば大抵何かと反応してこのモノが食品中に残っているとは考えにくいですが、どの程度の残っているか、何と反応したかによっては危ないかもしれません。実際にどの程度入っているのかの情報がないし、毒性も知らないのでなんともいえないですが、このものが入っていないことに越したことはないと思います。Wikiには胃酸で分解されてグリシドールが出るから危険じゃないかとかかれていますが、これはむしろグリセリンに戻るほうが起こりうる反応だと思います。どうやってできているのか単純に考えれば、遊離の水酸基が脂肪酸を脱離基として環化するのか、先に脂肪酸が脱離して水酸基が巻き込むかのどちらかでしょう。実際には簡単にはおこらなそうな反応ですが。

実際にどんな条件にされされているのかわからないので正確なことはわからないですが、グリシドールエステルが副生しないプロセスを確立してほしいものです。今回のエントリーは絵を描くのが面倒かつChemDrawが入っていないPCで書いているのでちょっとわかりにくいですかね。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-09-17 01:15 | 化学

2700億の行方

今年度の補正予算に計上された総額2700億円を30人の研究代表に支給するというかつてない規模の予算配分先が今日発表されました。当然、うちの研究室は選ばれるわけはないのですが、知り合いの先生が通れば共同研究でいくらかもらえるかもしれないというのが、大抵の選考対象外の研究者が考えるところかもしれません。当選者の一覧はこんな感じです

専門外でも名前を聞いたことがある人たちが結構います。そしてその中には実際に会ったことのある人も何人か。といってもここからうちにお鉢が回ってくる可能性はかなり低いです。うちは地道に自分たちの研究で予算を獲得するよう努力しなければなりません。

とりあえず自分の申請書も大学からの助成金はもらえたので少しは足しになりました。結構大き目の予算に出したものはどうも厳しそうなので、これは別のところに出すことになりそうです。そして科研費もいろいろ書かなければなりません。さらに自分の実験をやって、来月から始まる講義の準備をしてとなると今月はかなり忙しくなりそうです。

ちなみに今回の大型予算は自民党政権下で決められたことなので、発表にも待ったがかかっていたようですが、政権交代前に駆け込みで発表されたような感じです。発表した以上なかったことにはならないと思いますが、Natureにも批判されているようですし原文はこちら)、民主党は補正予算の見直しをするといっているので額に関しては変化があるかもしれません。そのほかの予算についても全て同様、科研費は今年は変わらないでしょうが、来年以降また違ってくる可能性もあるかもしれません。鳩山さんは理系でPh.Dももっているし、うちの大学にもつとめていてアカデミア経験のある人だし、菅さんもそうだから今までよりサイエンスに理解のある人が政治の中枢につくのですから、本当に科学技術立国を目指すならいろいろと考えてもらいたいものです。
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by Y-Iijima_PhD | 2009-09-04 22:46 | サイエンス