デンマークでポスドク、大学発ベンチャーで研究員をした後、ひょんなことから大学の助教となった一博士号取得者が日々感じたこと、たまにサイエンス(主に化学)についてつづります。


by Y-Iijima_PhD
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ネットで見つけた興味深いブログ。原発事故の解説でも有名な大前研一氏の日本経済の現状に関する解説。震災が起こる前の内容ですから現状はさらに悪化している可能性が高いです。相変わらず長いですが、時間がある人は見ておいたほうがいいと思います。



自分なりに感じたことを書いておきます。

・日本と似ている国はない。ほかの成熟した国でも所得は伸びているという点
 これは実感として実際給料も減っている。額面自体は年功序列の組織なので増えてはいるが、税金、社会保障費のほうが大きく伸びるので結局まったく増えない。でもこれぐらいだったらまだましなほうなのかな。

・中国は地方は市長に権限が委譲されていて、世界の金を呼び込んでいる、繁栄しようという意欲がある
 これについても先月実際に中国の地方都市(まだ都市というまででもないぐらい発展途上)にいってその勢いを感じました。そして地元の官僚、工業地域の開発責任者と会ったときにもその熱意を感じました。上海などの大都市は十分人をひきつけているけれどもそうでないところでも企業を誘致し、人材を集めることに必死になっていて、そのための投資は惜しまないというスタンス。

・日本の景気は回復しない
イタリア、スペイン、ポルトガルみたいにかつての大国への道を歩んでいるのではないかと感じる。いつ景気が回復しますか?380年後待てばいいですかね、みたいな。すでにほとんどイタリアと同じという話もあるし。ただまじめというか、かつての成功体験にいまだ縛られていて、抜け駆けは許さないという空気のせいで沈んでいったときはあんな陽気な国には決してならなそう。でも学生と話をしていると今がたまたま悪いかのように思っている節も感じます。実際は年々状況は悪化していくと思われるのでこれから就活をする学生、さらに来年以降研究室に入ってくる学生のほうが厳しいといって間違いないと思います。だから明確な目標がない限りは先延ばしをしないように決断していかないといけないと思います。

・日本では資産価値の目減りが著しい
家も車も買った瞬間に価値が大きく下がるというのはよく言われる話です。よっぽどお金に余裕があるならだけれど何十年ローンなんて考えただけでぞっとします。なので基本的に日本で家を買おうとは思いません。東京にいる限りは車も必要ないし。今のところどちらもレンタルで十分。その方が好きなときに変えることができます。

・自分に投資しない
日本で普通に結婚して、子供がいてだと子供の教育費ばかりで自分に使う余裕がなくなるのが一般的だと思います。自分ではわかっていても結婚相手が誰々のところはどうだと周りにあわせるようなタイプだと難しそうです。自分は今のところ体力維持のため合気道とヨガぐらいしかしてないですけど。これも目黒区のサービスで格安なのでコストパフォーマンス、費用対効果は非常に高いです。仕事面では語学力をもっと上げないといけないと感じています。これも格安のものがあればいいけど。この前ためしに受けてみたTOEICはとりあえず目安としていた800点は超えました。まあ最後まで飽きずに集中力を保てればもっと点数は上がるはずです。ある程度集中力が保てた前半のリスニングは9割ぐらいできていたので。まあ次受けるんだったら内容にも興味が持てるTOEFLにするだろうけど。後英語だけじゃなくほかの言語も学ぶ予定です。というかもう始めます、そのうちではなく。

・業界による給料の格差が大きい
自分の関係する化学系研究職でも化学メーカーと製薬会社では給料レベルが違います。まあ製薬系では研究職としての寿命が化学会社より短い感じがするので単純にはいえないでしょうが。基本的には年功序列なのと転職市場がまだ十分整備されていない点があると思います。あとはうちの業界に特有なのか研究室のせいなのかいろいろとしがらみがあって企業もあまり自由には選べないし、その後もいろいろと面倒なことがあるのもこの構造を温存するのに一役買っているのではないかと思えます。


結論として言えることとして今までの日本の常識にとらわれていてはいけないということだと思います。まあ自分にとっては至極当たり前で一切いわゆる常識は信じていないですが。完全にその道から降りているので。それで自分の個人の結論としては大前氏の本も読んだけど「この国を出よ」ということです。

個人的にはもう日本は詰んでいると思っているので。色々こうすればいいとか対策はあるんだろうし、実現すれば復活もあるのでしょうが、今の迷走振り、慣性というか惰性によりすべて机上の空論に終わる可能性のほうが高そうです。それに仮によくなるとしても何年後のことか。はっきり言って待っていられるほど自分は気が長くないというか、外にチャンスがありそうなのにわざわざ来るかどうかもわからない、来ても大した事ないかもしれないものに賭けるほどの博打をするつもりはありません。ということで来年には確実に脱出できるように現在話を進めています。具体的な時期は色々としがらみがあるのでまだはっきりとしませんが、今の仕事はしかるべき時に辞めます。

ということで残りの期間、専門の有機化学を教えるのは当然ですが、このような日本社会の問題点についても学生に考えてもらえるように教えていきたいと思います。もちろん海外に出るのはいうほど簡単ではないというのはわかっています。そもそも海外暮らしが合わないこともあるだろうし、行きたいといってもビザの問題は大きいです。自分がデンマークから帰国したのもビザの問題がかなりの部分を占めています。だから行きたくても行けない人も多くいるだろうし、そもそもあまりお勧めできない人もいると思います。なので大事なのは今までの常識を捨ててよく考えること、そして自己防衛していくことだと思います。間違っても原発みたいに「ずっとうそだった」、「騙された」なんてことは言いっこなしです、少なくとも自分とかかわった人は。基本的に都合の悪いことには目を瞑り、耳をふさいで考えないようにしてきた結果ですから。
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by Y-Iijima_PhD | 2011-07-11 00:01 | 日本を考える