デンマークでポスドク、大学発ベンチャーで研究員をした後、ひょんなことから大学の助教となった一博士号取得者が日々感じたこと、たまにサイエンス(主に化学)についてつづります。


by Y-Iijima_PhD
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チベット問題とからんで北京オリンピックをボイコットするかどうかに関する話題がデンマークでもよく聞かれます。今日の昼の話題にもなったし、夜のニュースで中国人2人を招いて話を聞いていました。しかし、このニュース番組はデンマーク人側は中国は人権侵害している、中国人側は西側メディアが嘘をついていると決めてかかっているので話はずっと平行線をたどっていたような気がします。どちらの様子もある程度わかっているデンマーク在住日本人としては見ていて面白かったけど、双方の溝を深めるだけなんじゃないかと思います。話していた中国人は自分より若くてデンマーク語も話せない(討論は英語だったので理解できました)みたいだし、おそらく自分の国のことも正確には知らないと思うのでメディア側の策略なんじゃないかとも思えます。

同じグループにも中国人の同僚がいますが彼も各国が開会式をボイコットするといっていることに対して怒っていました。ただチベットの自治を中国が認めていないということを言われると黙ってしまうので今の政府がいいとは思っていないようです。彼の意見ではダライ・ラマが戻ってくればいいといっていましたが、そんなことしたら殺されるでしょう。ただでさえ次のダライ・ラマを決めることができるパンチェン・ラマ11世が中国政府に拉致されているぐらいですから。

しかし、同僚は政府によって情報検閲が行われていることは知っているけど自国のメディアの言うことを信用しているようです。ニュースに出てきた中国人も信じて疑わないという感じでした。その辺の感覚が理解できません。まあ、日本人も明らかに嘘、デマゴギーばかり垂れ流す自国のマスメディアを信じて疑わない人が多いみたいなので人のことは言えませんが。

ちなみにデンマークは開会式をボイコットしないと首相が言っていました。自分のデンマーク語の理解が正しければですが。日本はもちろんボイコットしないでしょうね。聖火リレーも滞りなく行われるかもしれません。のび太首相はじめ中国べったりの政治屋さんが国家主席来日前に顔に泥を塗るようなまねはしないでしょうから。

オリンピックに政治を持ちこむなとは正論ですが、過去のオリンピックを見る限り完全に政治に利用されています。見ているほうも自国がいくつメダルを取ったとか気にしていれば同罪だと思います。ただ中国側の主張は明らかに筋が通っていません。過去の状況を見ればもっとも政治を持ち込んでいる国が中国じゃないかと思えます。以下はネット上での拾い物。

中国の五輪への参加の記録

1956年 メルボルン五輪 選手団が現地に到着後にボイコット(理由は台湾問題)
1960年 ローマ五輪 ボイコット(理由は台湾問題)
1964年 東京五輪 ボイコット(理由は台湾問題)■■開会式当日に合わせて核実験強行■■
1968年 メキシコ五輪 ボイコット(理由は台湾問題)
1972年 ミュンヘン五輪 ボイコット(理由は台湾問題)
1976年 モントリオール五輪 ボイコット(理由は台湾問題)
1980年 モスクワ五輪 ボイコット(理由はアフガン問題)

2008年 北京五輪 「オリンピックと政治を結び付けるな」


他の国がボイコットするといっても反論できる立場にないはずですが。

ただ今回のチベット問題は中国政府にとっても意図しないものであったはずです。この時期に問題が起こればオリンピックの開催が危うくなるのはわかっていたはずですから、本来はなるべく問題が起こらないようにするか、起きてもなんとしても隠し通そうとしたはずです。それができなかったのは政府の力が地方にまでは十分に届いていないということを表しているのかもしれません。イギリス、アメリカの諜報機関が扇動したとか、人民解放軍が政府に要求を通すための自作自演だとか陰謀説もあるようですが、真相はわかりません。でも中国が一枚岩ではないからこそ強硬な手段に出ているのでしょう。ちょうど何でも反対して話し合いで解決することをしない日本の民主党と似たような状況だと思います。
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by Y-Iijima_PhD | 2008-04-09 04:48 | 世界のニュース
この週末BBC、CNNを初めデンマークの国内ニュースTV2でも頻繁に報道されている気になるニュースについて書きます。

まずは中国のチベットでの弾圧について。日本のマスコミがどの程度報じているか知らないですが、CNNBBCでは相当の惨状を報道しています。どちらも少なくとも80人の死者が出たと報じています。コソボの独立に触発されたデモなのかなとも思ってみたり。ダライ・ラマは"cultural genocide" だと言っているし。オリンピックをボイコットするかどうかということもあわせて報道されています。

まあ中国にしてみればこの程度の死者はたいした事ないのかもしれません。天安門事件の方が桁が1つ多いし、文化大革命にしたら6,7桁違いますから。それに中華思想から言えばチベットなど夷狄の一つでしょうからどうでもいいのかもしれません。そもそも中国は昔から今に至るまで人命が安い国だとおもいます。そのいい例が南京大虐殺という中国側のプロパガンダで日本軍がやったと言って聞かない三光作戦だと思います。日本人の常識から考えてありえないし、そもそもそんな概念すらないものをやったと言い張るのは本人たちにそういう意識が染み付いているからでしょう。

人権侵害、情報統制、そして食の不安まである国で本当にオリンピックをやるのかは前から疑問でしたが、その懸念が現実になりつつあるようです。

中国は今のところ経済発展が著しく、世界の工場として投資家の注目を集めていますが、中国共産党による一党独裁制の問題だけでなく、一人っ子政策による男女比の不均衡、急激な少子高齢化など国の根幹で抱える問題は多い様な気がします。工場としての魅力も人件費が高くなりつつあることで少なくなってきているようですし。北京オリンピック後に大規模な暴動が起こるという予想もあるようですからこのまま中国が持続的に発展するというのはないかもしれません。

変に毛嫌いするのもよくないですが、最低限対等、外交ではしっかりと戦略をもって接しないといけないと思います。バカな政治家みたいにやたらと媚びたり、中国のお偉いさんにあったらでれでれしているなんてもってのほかです。


もう一つ頻繁に報道されているのがアルバニアでの大爆発。デンマーク語のニュースですが爆発のすさまじさはよくわかると思います。原因は武器の廃棄作業中の事故のようでテロではないようです。しかし、アルバニアはコソボの隣、しかもコソボの住人はほとんどがアルバニア系という状況で、このタイミングだともしやと思ってしまいます。アルバニアは今週行くDubrovnikからもそんなに離れていないですし。

バルカン半島はヨーロッパの火薬庫と呼ばれますが、今回は本当の火薬庫が爆発したようです。これが他国に誘爆、飛び火しないことを祈ります。
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by Y-Iijima_PhD | 2008-03-17 07:03 | 世界のニュース